歴史好きのよもやま話。

明日を生きるのに必要ない、無駄な知識をつらつらと。

今も昔も、御朱印集めは大人気! ~戦前の御朱印帳を読む~

突然ですが、最近仕事絡みでこのようなものを入手しました。 御朱印でなく「御集印」とは珍しい感じですが、それもそのはず、この御集印帳は昭和初期に使われた年代物。 御朱印集めというと2010年代になってからブームになった感もありますが、そもそもは室…

木戸孝允が考えた「富国」

以前に記したことがあるのですが、私は歴史上の人物で誰が一番好きかと聞かれたら、木戸孝允と答えます。 その理由は、木戸の政治家としてのスタンスが好きなことと、彼の人間臭いエピソードが笑えるためです。けれど、今までに記した木戸の記事を見返してみ…

いつの時代も通信は大事、戦時中の郵便事情。

いよいよ年の瀬も差し迫ってきましたが、この時期の風物詩となるのが年賀状です。 けれども昨今の電子メール、SNSの普及etc.により、年賀状の出される枚数が年々減少しているのは周知の通り。これも時代の流れといったところでしょうか。 www.sankeibiz.jp …

『宇治拾遺物語』に見る、トホホな恋愛事情。

『宇治拾遺物語』といえば、学校の古典の授業でもおなじみの説話集。古典に疎い人でも、名前くらいは何となく聞いたことあるなぁ、と思う程度には有名な作品です。 仏教の説話だけでなく、合計197の多彩な物語が納められていることが特徴の『宇治拾遺物語』…

イタリアは弱いぞ! という風潮。

もう10年以上昔の話ですが、「Axis powers ヘタリア」なる作品が流行したことがありました。 hetalia.com(こんなアニメですね) ざっくり説明するとこの作品は国を擬人化したコメディ漫画で、主人公格のイタリアはとにかく戦争に弱く、それがタイトルにもなっ…

『大鏡』に見る、豪傑型な藤原道長像

今回は趣を変え、中世の史書から紹介です。 いわゆる「四鏡」の最初の作品として知られ、藤原氏の摂関政治を中心に平安時代の政治模様を描いた『大鏡』。今回はこの『大鏡』の概要と、この史料を通じて描かれる藤原道長像についてご紹介したいと思います~ …

大隈重信の長話と妻綾子

さて世間は入学式、始業式のシーズンもひと段落しましたが、こういった学校の式典では校長先生のお話が付き物です。 しかしこれがくせ者で、正直長いばかりであまり面白くない。私などは馬耳東風で、まったく何も聞いていなかったのを覚えています。 このよ…

黒田清隆の妻殺し疑惑!? 薩閥のグレーな関係

今回の話、出てくる人はみな悪い人です。 その中で一番悪い人、黒田清隆は叩けば叩くほどホコリが出るようなところがあり、言わば疑惑のデパートみたいな人物です。 黒田の疑惑の中でもシャレにならない部類の疑惑に、自分の妻を殺害したというものがありま…

意外と詳細? 太平洋戦争中の米軍機への評価を見る

神保町を訪れると、戦前の雑誌がだいたい1,000円前後で販売されていたりします。 と、いうわけで今回は私が高校生の頃に神保町で購入した海と空社刊、『海軍雑誌 海と空』昭和19年5月号から気になった記事を紹介したいと思います~〔以下、適宜旧字体や旧仮…

木戸孝允と奇人橋市、謎の雪隠披露に興じる。

今日は軽めのネタを一つ。 『木戸日記』を読んでいると、時々木戸さんの謎な交友関係に驚かされることがあります。 そして今回はその交友関係の中でもトップクラスにユニークな、奇人橋市について紹介したいと思います~(以下、適宜旧字体や旧仮名遣いは現代…

黒田清隆史上最大の不祥事、黒田長官大砲事件に迫る!

薩閥の重鎮として有名な黒田清隆。彼は明治7(1874)年から明治15(1882)年の間、北海道開拓を担う開拓使長官を務めています。 しかしこの間、黒田は教科書にも必ず載っている開拓使官有物払い下げ事件を起こすなど、長官としての評判はあまりよろしくありませ…

地震とアメリカの異種格闘技戦

さて先日は安政江戸地震の瓦版を紹介しましたが、今回はユニークな瓦版の一形態、鯰絵について紹介したいと思います。 安政江戸地震が発生したのは1855年、ちょうど日米和親条約を締結した翌年となります。そのような世相を反映して、地震と同時に様々な風刺…

地震に関する今昔 By 鯰絵。

今も昔も日本では繰り返し地震が発生しているわけですが、その都度人々は色々に地震に対応してきました。 と、いうわけで今回は、江戸時代末期(1855年)に発生した安政江戸地震に関する史料から、私が面白いと思ったものを紹介したいと思います~(以下、〔 〕…

秘技、大久保利通の畳回し!

前回に引き続き、今回も大久保利通の意外な側面を紹介したいと思います。 今回取り上げる史料は、妻木忠太の『偉人周布政之助翁伝』(有名堂書店,1931)です。書名の通り本書が取り上げるのは長州藩士の周布政之助なわけですが、時々出てくる大久保利通がまた…

『大久保利通日記』に見る大久保のキャラクターとは?

日記などの個人的な文章は、その人の人となりを知る手がかりになると言われます。 今回は、明治初期の政権中枢に位置した大久保利通の日記から、彼のキャラクターに迫りたいと思います~(以下、〔 〕内は私が行った注釈です。また適宜旧字体は新字体に改めた…

木戸孝允が世界で一番衝撃を受けた風呂

今回も『木戸孝允日記』を史料に用いつつ、木戸の意外な一面に迫りたいと思います。 明治4(1871)年から明治6(1873)年にかけて、海外諸国を歴訪する岩倉遣外使節団が派遣されました。木戸は使節団の副使として諸外国の高官と面会しただけでなく、政府機関や工…

現代とそう変わらない? 関東大震災時にささやかれた怪兵器とは!?

今回も前回に引き続き、1923年9月1日に発生した関東大震災に関する書籍の『大正大震災大火災』から、気になるエピソードを紹介したいと思います。 この書籍は震災当時の色々な出来事を紹介しているのですが、中には「最近も同じようなコトがあったような?」…

現代とそう変わらない? 関東大震災当時の人々の行動とは

今回は、1923年9月1日に発生した関東大震災について最も早い段階で紹介した書籍である『大正大震災大火災』から気になるエピソードを紹介したいと思います。 この書籍は震災当時の色々な出来事を紹介しているのですが、中には「最近も同じようなコトがあった…

お酒は程々に ~酒乱の黒田清隆と、天敵木戸孝允編~

笑い話からシャレにならないものまで、今日もそこかしこで酒の失敗は起きています。 と、いうわけで今回も酒の失敗を紹介します。具体的には、薩摩藩出身の黒田清隆のエピソードを中心に紹介したいと思います。 黒田清隆と言ったら伊藤博文に次ぐ2代目の総理…

お酒は程々に ~木戸孝允の失態編~

笑い話からシャレにならないものまで、今日もそこかしこで酒の失敗は起きています。 今回は酒の失敗に絡んで、幕末から明治初期を代表する政治家、木戸孝允のエピソードを取り上げます。 話題の宝庫、『木戸孝允日記』 皇居で爆睡、木戸孝允 木戸、同じ失敗…

日本の歴史を変えた(かも知れない)ジャンケン @ 柳条湖事件

1931年9月18日に発生した柳条湖事件。この事件を口実に関東軍は張学良に対して攻撃を開始、半年余りで満州全土を占領しました(満州事変)。 柳条湖事件以後、国際連盟の脱退やら皇道派の台頭、そして盧溝橋事件から太平洋戦争まで昭和戦前史は暗い話題が多く…

爆裂弾を投げつけられた大隈重信、後年その様子を語って曰く…

大隈重信は、明治から大正期を代表する政治家、教育者として有名な人物です。 そんな彼の政治家生活は結構波乱万丈で、政争に敗れて下野したかと思えば復権したり、ようやく引退したかと思えばまた復帰したり、その過程でなんと2回も爆弾を投げつけられたり…